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高圧電力と業務用電力の違いとは? 分類基準と関係性を解説

「業務用電力」と「高圧電力」は、どちらも事業所の電気契約について調べるときに見かける言葉です。そのため、同じ意味なのか、どちらを選べばよいのかを迷う方もいらっしゃるでしょう。

結論からお伝えすると、これらは比較する対象ではなく、そもそも分類する基準が異なります。高圧電力は電気を供給する際の電圧による区分であるのに対し、業務用電力は事業所などで使う電力を指したり、電力会社の契約種別として使われたりする言葉です。

この記事では、業務用電力と高圧電力の違いを整理し、それぞれの意味や契約内容を確認するときのポイントを解説します。

業務用電力と高圧電力の違い

高圧電力は「電圧(供給形態)」、業務用電力は「用途(使い道)」を基準にした言葉です。

まずは2つの分類基準の違いを明確にし、どのような場面で言葉が重なるのかを順に見ていきましょう。

業務用電力と高圧電力は分類する基準が異なる

業務用電力と高圧電力の違いは、電気を「電圧」で分けているか、「用途」で分けているかです。

高圧電力は、電力会社から送られてくる電気の「電圧」による区分です。契約電力が50kW以上2,000kW未満の施設に対して、6,000V以上の高い電圧で供給する形態を指します。

一方、業務用電力は電気の「用途(何に使うか)」による区分です。主にオフィスビル、店舗、商業施設などの商業目的で使用される電気を指します。

このように、高圧電力は技術的な供給形態を表し、業務用電力は施設での使用目的を表します。基準そのものが異なるため、両者の直接比較はできません。

両者は重なる場合がある

業務用電力と高圧電力は、基準は異なるものの、同時に成り立ちます。

たとえば、中規模のオフィスビルや商業施設では、受電する電圧が「高圧電力」であり、使用目的が「業務用電力」です。この場合、その施設で使われる電気は「高圧電力」でも「業務用電力」でもある状態になります。

自動車に例えるとわかりやすいでしょう。「トラック(車種区分)」と「社用車(用途区分)」の関係と同じです。「社用車として使われているトラック」が存在するように、「業務用として使われている高圧電力」が存在します。

現場で言葉が交ぜこぜに使われやすいのは、実際の施設において両者の条件が同時に満たされるケースが多いからです。

高圧電力とは?

高圧電力は、施設で一度に使う電気の量(契約電力)に応じて定められる電圧の区分です。

この章では、高圧電力の基本的な定義から、他の電圧区分(低圧・特別高圧)との違い、受電時に欠かせない設備について解説します。

高圧電力は電圧による区分

前述した通り、高圧電力は、契約電力が50kW以上2,000kW未満の施設に適用される電圧区分です。

電力会社から6,000V以上の高圧で電気が供給されます。主な対象施設は、中規模のオフィスビル、スーパーマーケット、小中規模の工場などです。一般家庭や小規模店舗で使う100Vや200Vの電圧に比べ、一度に大量の電気を送ることができます。

高圧電力の基本や必須の受電設備などについては、以下の記事で解説しています。

低圧電力・特別高圧電力との違い

低圧・高圧・特別高圧は、電気を供給するときの電圧によって区分されます。高圧は低圧よりも高い電圧で供給を受け、特別高圧はさらに高い電圧で供給を受ける区分です。

一般的な電気設備の区分では、交流600V以下が低圧、600Vを超え7,000V以下が高圧、7,000Vを超えるものが特別高圧とされています。

特別高圧の仕組みや高圧電力との違いなどについては、以下の記事で解説しています。

参考:電気設備に関する技術基準を定める省令|e-Gov法令検索 

高圧電力の契約に必要な設備

高圧で電気の供給を受ける場合には、一般的にキュービクル式高圧受電設備を設置しなければなりません。キュービクルは、電力会社から送られてきた高圧の電気を、施設内で使用できる電圧に変圧するための設備です。

キュービクルには変圧器や遮断器などの機器が収められており、建物や工場などの高圧受電設備として使用されます。

高圧電力とキュービクルの関係については、以下の記事で解説しています。

業務用電力とは?

続いて業務用電力とは何かについて、一般的な意味と契約上の意味を分けて説明します。

業務用電力はオフィスや店舗などで使われる電力を指す

業務用電力とは、企業や事業者が事業活動のために使用する電力を指す言葉です。オフィスや店舗、病院、学校など、さまざまな施設で使用される電力が該当します。工場などの製造業で機械を動かすために使う「産業用(農事用・鉱工業用など)」の電気と区別するために使われる区分です。

ただし、業務用の施設でも契約内容や設備によって電気の供給方法は異なるため、「業務用電力」という言葉だけでは、電気の供給電圧(高圧電力かどうか)までは決まりません。

電力会社の料金メニュー・契約種別として使われる場合もある

「業務用電力」は、電力会社が定める契約種別の名称として使われる場合があります。たとえば東京電力エナジーパートナーの高圧向け電気需給約款では、契約種別として「業務用電力」と「高圧電力」がそれぞれ定められています。

この場合の「業務用電力」は、単に事業所で使う電気という一般的な意味ではなく、電力会社が定めた契約条件や料金体系に基づく契約種別を指します。

なお、電力会社によって料金メニューや契約種別の名称、適用条件は異なります。現在の契約内容を確認するときは、「業務用」という言葉だけで判断せず、契約している電力会社の約款や料金メニューを確認しましょう。

業務用電力と高圧電力が混同されやすい理由

業務用電力と高圧電力が混同される理由は、現場で両者が同じ契約を指して使われるケースが多いためです。

オフィスビルや店舗の契約電力が50kW以上となるところは、受電形態は「高圧電力」です。同時に、用途も商業目的であるため、契約プラン名が「業務用電力」になります。

つまり「高圧電力(電圧の区分)」で受電し、「業務用電力(契約プラン)」で契約する状態が一般的であるため、現場の担当者が2つの言葉を同じ意味として使いがちになります。

業務用電力・高圧電力の契約を確認するときのポイント

実際の契約内容を確認する際は、施設で使っている電気の「供給形態(電圧)」と電力会社との「契約プラン(種別)」の両面から整理しましょう。

「高圧だから業務用」「業務用だから高圧」と判断するのではなく、現在の契約書や検針票をもとに以下の点を確認してください。

  • 現在の電圧区分:高圧・低圧・特別高圧のどの区分で電気の供給を受けているか確認します。
  • 契約電力:現在の契約電力がどの程度に設定されているかを確認します。
  • 電力会社と契約種別:どの電力会社と契約しているか、「業務用電力」「高圧電力」など、どの契約種別が適用されているかを確認します。
  • 料金メニューと料金単価:基本料金や電力量料金など、現在適用されている料金体系を確認します。
  • 現在の電力使用状況:実際の電力使用量や使用時間帯と契約内容が合っているかを確認します。

契約内容を確認することで、現在の契約が施設の電力使用状況に適しているかを判断できます。

業務用電力と高圧電力の違いを理解して契約内容を確認しよう

業務用電力と高圧電力は、同じ意味ではありません。業務用電力と高圧電力のどちらを選ぶかではなく、現在の契約内容を確認することが必要です。

契約内容を確認するときは、以下の項目を確認しましょう。

  • 電圧区分
  • 契約電力
  • 電力会社と契約種別
  • 適用されている料金メニュー
  • 現在の電力使用状況

契約内容を確認しても、自社に適した契約なのか、見直しの余地があるのか判断が難しい場合もあります。電力契約の内容や見直しについて疑問がある場合は、ぜひ一度、パドゲイト合同会社へご相談ください。

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