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コラム
2026.09.17
特別高圧電力を利用する事業者は、電気料金の負担を軽減するために利用できる補助金・支援金がないか確認しておきましょう。
国による電気料金支援では、特別高圧契約が対象外となる場合がありますが、自治体が独自に特別高圧電力の利用事業者を対象とした支援制度を設けているケースもあります。
そこで本記事では、特別高圧電力に関する補助金・支援金について、国と自治体の制度の違いや対象となる事業者、申請方法を解説します。
なお、特別高圧電力の基本的な仕組みや高圧電力の違いなどについては、以下の記事で解説しています。
特別高圧電力の補助金・支援金は、電気料金の高騰に苦しむ企業を救済する制度です。支援策は「国の制度」と「地方自治体独自の制度」の2種類に分かれます。
制度によって支給額や条件が異なるため、自社に合う支援策の把握が必要です。
では、それぞれの制度の概要と特徴をみていきましょう。
国の電気料金支援は実施時期によって対象契約や支援内容が変動します。
たとえば、過去の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」では特別高圧も値引きの対象でした。一方で、2026年7〜9月使用分の「電気・ガス料金支援」では、値引き対象が低圧・高圧に限られ、特別高圧は対象外となっています。
なお、国の制度は事業者が直接申請する形ではなく、国から小売電気事業者などを通じて請求額から引き落とされる仕組みです。
このように特別高圧が国の支援対象から外れる時期もあるため、該当する事業者は自治体が独自に実施する補助金・支援金の確認も必要です。
自治体が提供する支援金は、国の制度を補うために都道府県や市区町村が独自予算で運営する給付制度です。
国の制度(電気料金の自動割引)と異なり、企業が自治体へ直接申請して給付金を受け取る形式が一般的です。たとえば「愛知県特別高圧電力等価格高騰対策支援金」では、電気料金の実績に応じて1事業者あたり数十万〜数千万円規模が交付されました。
実施の有無や給付要件は自治体ごとに全く異なります。自社の本社や工場が所在する自治体のホームページを定期的にチェックするようにしましょう。
参照:愛知県「特別高圧電力等価格高騰対策支援金について」

特別高圧電力の支援策を利用するためには、定められた対象条件を満たさなくてはなりません。
対象となる事業者や補助内容を説明します。
特別高圧電力の支援制度では、特別高圧で受電する中小企業などが主な対象です。資源エネルギー庁は、支援対象の例として、特別高圧で受電する中小企業のほか、特別高圧で受電する工業団地や商業施設などに入居する中小企業を挙げています。
対象となる事業者の例は以下のとおりです。
ただし、これらすべてが自動的に補助対象となるわけではありません。実際の対象者は自治体ごとの制度によって定められます。
補助額は自治体によって異なり、特別高圧電力の使用量に応じて支給する制度があります。
たとえば秋田県の「特別高圧電力価格高騰対策緊急支援事業費補助金」では、2026年7〜9月分を対象に、7月・9月は1kWhあたり1.8円、8月は2.3円を補助します。つまり、仮に7月の対象電力使用量が10万kWhの場合、補助額は18万円です。
支給条件も自治体ごとに異なります。秋田県の制度では、県内の事業所などで特別高圧電力を契約している中小企業者などのほか、県内の商業施設で特別高圧電力を契約している施設運営者が対象です。一方、7,000V未満の高圧電力は対象外とされています。
このように、補助単価だけでなく、対象期間・契約種別・事業者要件・申請期限・必要書類までを確認し、自社が対象となるかを判断する必要があります。
参考:美の国あきたネット「特別高圧電力価格高騰対策緊急支援事業費補助金について(令和8年7月分~9月分)」
特別高圧電力の補助金は自治体へ申請します。条件や必要書類は地域ごとに異なるため、募集要項の確認はしっかり行いましょう。
では、一般的な申請手順や必要書類、テナント企業が申請する際の注意点を解説します。
特別高圧電力の補助金は、自治体が指定する方法で申請します。多くの制度では、申請書に必要書類を添付して、オンラインや郵送などで提出します。
申請時には、次のような書類を求められることがあります。
ただし、必要書類は制度によって異なるうえに、申請期限にも注意が必要です。対象期間の電気料金が確定してから申請を受け付ける制度もあるため、「いつから申請できるか」「いつまでに提出する必要があるか」を募集要項で確認しましょう。
テナント企業が申請する際は、ビルオーナーや管理会社から電気使用の証明を取得する必要があります。電力会社と直接契約していない場合、自社だけでは使用量を証明できないためです。
自治体の多くは、管理運営者が記入・押印する証明書(「受電および入居確認書」など)の提出を求めています。確認に時間がかかる事例も多いため、早めの依頼が必要です。
さらに、賃貸借契約書において「電気料金が共益費にコミコミで含まれている場合」は、契約書などで電気料金の負担額が明確に区分されていないと、対象外になる恐れがあります。テナントとして申請を検討する際は、早めにビルの管理会社へ連絡し、証明書の発行依頼や契約内容の確認を進めてください。

補助金や支援金は限定的な救済措置です。そのため、長期的に電気料金の負担を抑えるには、自社で実施できる根本的なコスト削減策に取り組む必要があります。
主な2つの方法は「電力契約の見直し」と「設備面での省エネ対策」です。
特別高圧電力の電気料金を削減するには、現在の契約内容が自社の電力使用状況に合っているかの確認が基本です。
電気料金は基本料金と電力量料金で構成され、電力会社ごとに単価や条件が変わります。複数の料金プランを比較し、切り替え時の金額を試算する方法が有効です。
あわせて、契約電力が大きすぎないかの点検も行いましょう。実態に合わせて引き下げられれば、基本料金を削減できます。
ただし、契約電力の決定方法や変更条件は契約内容によって異なるため、単純に契約電力を下げればよいとは限りません。過去の最大需要電力や今後の電力使用量を確認したうえで検討しましょう。
運用や設備投資によって電気の使用量そのものを減らす方法も効果的です。特に効果が高い対策が、ピーク電力の発生を抑える「デマンドコントロール」の導入と、高効率な省エネ設備への更新です。
デマンドコントロールとは、電力使用状況を監視し、上限を超えないよう空調や照明を自動制御する仕組みです。最大ピーク電力を抑制できれば、翌年以降の基本料金を引き下げられます。
また、古い変圧器(トランス)や大型空調、LED照明への設備更新も有効です。
設備の導入には初期費用がかかるものの、中長期的なランニングコストの削減によって投資回収が可能です。
なお、デマンド値や基本料金の計算例などは以下の記事で解説しています。
特別高圧電力を利用する事業者向けの補助金・支援金は、国の制度だけでなく、自治体が独自に実施しているものもあります。自治体によって対象事業者や補助額、申請条件が異なるため、自社が利用できる制度を確認しましょう。
補助金・支援金を活用するだけでなく、電力契約の見直しや省エネ設備、デマンドコントロールなどを取り入れることも、電気料金の削減につながります。
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