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交通費が非課税になる条件とは? 正しい運用方法や旅費規程のポイントを解説

営業活動や出張などで発生した交通費は、原則として非課税です。しかし、すべての交通費が自動的に非課税となるわけではありません。支給方法や金額によっては給与として扱われ、課税対象となるケースもあります。

また、社内で交通費を適切に運用するには、支給基準や精算方法を旅費規程で明確にしておくことが大切です。

この記事では、交通費が非課税となる考え方や確認したいポイント、通勤手当との違い、旅費規程を整備する意義について解説します。

交通費が非課税になる考え方

まずは、交通費が非課税となる理由や判断の基本を確認しましょう。

実費弁償される交通費は所得にならない

所得税は個人の利益や収入に対して発生する税金です。しかし、業務で使った交通費は会社が立て替え分を返す「実費弁償」であるため、所得税がかかりません。

社員が自分のポケットマネーから一時的に支払った電車代やタクシー代を会社が精算する行為は、社員の資産が増えたわけではありません。マイナスになったお金をゼロに戻す手続きに過ぎないため、利益(所得)とは判断されず、非課税となります。

国税庁の所得税基本通達9-3では、職務の遂行に必要な旅行に伴う旅費のうち、その旅行に通常必要と認められる範囲内のものは非課税として扱われることが示されています。

参考:国税庁「非課税とされる旅費の範囲

非課税となる交通費の確認ポイント

交通費を非課税として扱うために、確認しておきたいポイントは以下の通りです。

  • 業務上必要な移動であること
  • 通常必要と認められる経路や交通手段であること
  • 支給額が社会通念上妥当な範囲であること

交通費として扱われる主なものには、電車やバスなどの公共交通機関の利用料金、業務上必要なタクシー代、高速道路料金などがあります。また、出張先での移動にかかった費用も、業務遂行に必要な範囲であれば交通費に含まれます。

一方で、業務とは関係のない私的な移動費は対象になりません。たとえば、出張先で個人的に利用した交通費や、業務上の必要性がない移動費などは、会社の交通費として精算できないという認識です。

そのため、業務内容や移動経路に応じた適切な支給基準を設定しましょう。

交通費と通勤手当の違い

業務で使う「交通費」と、毎月支給される「通勤手当」は、税務上の扱いが異なる別の制度です。

営業活動などの移動にかかる交通費は、合理的な範囲の実費であれば上限なく非課税になります。一方、自宅から会社までの往復に使われる通勤手当には、法律で定められた非課税限度額が存在します。公共交通機関を利用する場合、1か月あたり15万円が非課税の上限です。

同じ移動にかかるお金であっても制度の性質が違うため、社内で分けて管理しなければなりません。

参考:国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正について

交通費を適切に運用するために旅費規程が必要な理由

交通費を非課税として適切に処理するには、支給基準や精算方法を社内で統一しておく必要があります。そのために役立つのが旅費規程です。

ここで、旅費規程が必要な理由についてみていきましょう。

ルールがないと支給基準が曖昧になる

旅費規程がない場合、交通費の支給基準が担当者や社員ごとの判断に任されることになります。

たとえば、同じ距離の移動のケースでも、ある社員は電車を利用し、別の社員はタクシーを利用するといった場合です。「どのような場合にタクシー代を認めるのか」「グリーン車の利用を認めるのか」といった判断基準がなければ、精算時に確認作業が増える原因になってしまうでしょう。

さらに、業務上必要な費用なのか、個人的な支出が含まれていないかを確認する基準も曖昧になります。

しかし、旅費規程で交通費の対象範囲や利用条件を定めておくことで社員と経理担当者が同じ基準で判断できるようになるため、精算時のトラブルを防ぎやすくなります。

旅費規程が適切な運用の根拠になる

旅費規程を作成しておくと、会社として正しく非課税処理を行っている証明になります。全社共通の社内ルールに基づいて運用されている事実が、税務上の妥当性を支えるためです。

規程の中で「どのような条件で」「いくらまで支給するのか」を具体的に示しておけば、私的な補填ではなく業務上の正当な支給であると説明できます。社員からの問い合わせに対しても一貫した対応ができるため、管理体制の強化にもつながります。

旅費規程で交通費ルールを定めるポイントとメリット

旅費規程を作成する際は、必要な項目を抜け漏れなく記載し、社内で正しく運用できる仕組みに整える必要があります。

ここで、具体的な記載項目と、規程を整えることによって得られるメリットについて確認しましょう。

規程に盛り込みたい主な項目

定めておきたい旅費規程の主な3つの要素は、以下の通りです。

①支給対象

役員、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど、どの雇用形態の社員に規程が適用されるのかを明記します。

②支給基準

利用できる移動手段や金額の上限を具体的に定めます。公共交通機関の原則利用、タクシー利用を許可する具体的な条件(終電後や緊急時など)、新幹線・飛行機の利用可能な座席ランクなどを設定しておきます。

③精算・承認方法

領収書の添付義務や申請の期限、提出された申請を誰が確認して承認するのかという一連のフローを定めます。

旅費規程を作成する際は、現在の業務内容や社内体制に合わせて内容を設定しましょう。なお、旅費規程は一度作成したら終わりではありません。事業内容や社員数、働き方の変化に合わせて内容を見直してください。

旅費規程の具体的な記載内容や作成例については、以下の記事で詳しく解説しています。

海外出張に関する旅費規程の作成例は、こちらを参考にしてください。

旅費規程を整備するメリット

旅費規程を整えておくと、社内運用におけるさまざまな負担が軽減できます。

【交通費精算トラブルの防止】

ルールが明確になるため、社員同士の不公平感や「どこまで申請してよいか分からない」といった疑問を解消できます。

【社内ルールの透明化】

支給条件がオープンになることで、不正な申請や過剰な経費利用を未然に防ぎやすくなります。

【経理業務の効率化】

承認フローや精算基準が統一されるため、経理担当者の確認作業がスムーズになり、毎月の確認負担が減ります。

交通費の非課税運用には旅費規程の整備が必要

業務上必要な交通費は、通常必要と認められる範囲であれば非課税として扱われます。ただし、支給対象や利用基準、精算方法が曖昧なままでは、適切な運用ができません。

旅費規程を整備することで、交通費の支給ルールを統一でき、精算トラブルの防止や経理業務の効率化にもつなげていきましょう。

パドゲイト合同会社では、企業ごとの状況に合わせた旅費規程の作成や整備をサポートしています。交通費の取り扱いや旅費規程の内容についてお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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