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高圧電力の契約電力はどう決まる?デマンド・実量制・電気料金の仕組みを解説

近年、法人向けの電気料金は大きく変動しており、去年より使用量は減っているのに、請求額は上がっているという企業も少なくありません。

ただ、高圧電力は家庭用電気とは料金の仕組みが大きく異なるため、「なぜ電気代が高いのか分からない」「契約内容が適正なのか判断できない」という声も多く見られます。

本記事では、高圧電力の基本知識から、電気料金が決まる仕組み、契約種別、電気代を削減する方法までを初心者向けにわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

高圧電力とは何かを初心者向けに解説【法人契約・料金の基本知識】

法人向けの電力契約を調べていると、「高圧電力」「特別高圧」といった言葉を目にする機会が増えます。ただ、実際には低圧や他と何が違うのかよく分からない、自社が高圧契約なのか把握できていない、というケースも多いです。

高圧電力とは、簡単に言えば“多くの電気を使う施設向けの契約”です。工場や商業施設、介護施設などでは、一般家庭よりも大量の電力を使用するため、電力会社から高い電圧で受電しています。まずは、低圧・高圧・特別高圧の違いから整理していきましょう。

高圧・低圧・特別高圧の違い

電気は、電圧の大きさによって「低圧」「高圧」「特別高圧」の3つに区分されます。

区分電圧の目安主な対象施設
低圧100V・200V一般住宅、小規模オフィス、小型店舗、個人事業の事務所
高圧6,600Vが一般的中規模〜大型オフィスビル、工場、介護施設、スーパー、ホテル、マンション共用部
特別高圧20,000V以上が多い大規模工場、データセンター、大型病院、大規模商業施設、大学キャンパス

経済産業省の電気設備技術基準では、交流600V以下を「低圧」、600V超〜7,000V以下を「高圧」、7,000V超を「特別高圧」と定義されており、一般家庭では100Vや200Vの低圧電力が使われています。

電気使用量が大きい施設では、送電ロスを抑えるために「高圧契約」が一般的に使用され、大規模工場や大型商業施設などでは、特別高圧で受電するケースもあります。

なお、高圧・特別高圧の設備は、一般家庭の電気設備とは異なり「自家用電気工作物」として扱われます。そのため、電気事業法に基づき、定期点検や保安管理が必要になり、電気主任技術者の選任などが求められます。

高圧受電に必要な設備とは?電気を使うまでの流れを解説

一般家庭で使われている低圧契約では、電柱の変圧器からそのまま電気を受け取れますが、高圧契約では施設内で利用できる電圧に変換する必要があります。そこで必要になるのが、「キュービクル(高圧受変電設備)」です。

キュービクルとは、変圧器や遮断器などを金属製の箱に収めた設備のことで、駐車場の脇や建物の屋上に設置されている灰色の大きな箱を見たことがある方も多いのではないでしょうか?あれが、キュービクルです。施設内で高圧電力を変換する役割を担います。

高圧電力の料金はどう決まる?基本料金・契約電力・デマンドの関係を解説

高圧電力の料金は、家庭用電気よりも仕組みが複雑です。電気をどれだけ使ったかだけではなく、どれくらいの電力を一度に使ったかによっても料金が変わります。

ここでは、高圧電力の料金が決まる仕組みを順番に整理していきます。

契約電力とは?高圧電力の基本料金を左右する重要な数値

契約電力とは、「その施設が使用できる最大電力の目安」です。単位はkW(キロワット)で表され、高圧契約ではこの数値が基本料金に直結します。ただし、実際には「申込時に自由に決める」というより、過去の使用実績をもとに決定されるケースが一般的です。

高圧電力の契約内容を見直す際、まず確認したいのが現在の契約電力です。ただ、普段あまり電気料金明細を細かく見ない企業では、どこを確認すればいいのかわからないというケースも少なくありません。

契約電力は、毎月の電気料金明細や請求書に「契約電力」「ご契約電力」「契約容量」などの項目で記載されているのが一般的です。単位は「kW(キロワット)」で表示されます。

たとえば、請求書に「契約電力:300kW」と記載されている場合、その300kWを基準に基本料金が計算されます。実際の使用量が少ない月でも、契約電力が高いままだと固定費は下がりにくいです。

最近では、Web明細で確認できる電力会社も増えているため、まずは直近1年分ほどの請求書や使用実績を確認してみるとよいでしょう。

基本料金の決まり方

基本料金は、「どれだけ電気を使える契約になっているか」で決まります。

高圧契約は、一般的に契約電力(kW)をもとに算定されます。そのため、実際の使用量が少ない月でも、契約電力が大きいと基本料金は高くなります。

特に注意したいのが、契約電力は一度上がると、すぐには下がらないケースがあることです。一時的に電力消費が多くなると、基準となる数値が上昇し、その後1年間の基本料金が高止まりすることもあります。

電力量料金とは

電力量料金は、実際に使用した電力量(kWh)に応じて発生する料金です。いわゆる「使った分だけかかる料金」で、請求書の中でも大きな割合を占めます。

また、高圧契約では、昼間・夜間、夏季・その他季、平日・休日など、時間帯別単価が設定されているプランも少なくあるため、設備の運転時間を調整するだけでも、電気代が変わるケースがあります。

燃料費調整額は価格が変動する

燃料費調整額は、火力発電に使用するLNG(液化天然ガス)・石炭・原油などの価格変動を電気料金へ反映する仕組みです。

近年の電気料金高騰では、この燃料費調整額が大きく上昇したことが、法人電気代の増加要因になりました。

各電力会社は毎月、燃料費調整単価を公表しています。たとえば東京電力エナジーパートナーでは、高圧・特別高圧向けの燃料費調整単価一覧を公開しています。

再エネ賦課金とは

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及を目的として、電気利用者が負担する費用です。

正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と呼ばれ、経済産業省が毎年度単価を決定しています。使用電力量に応じて加算されるため、電力使用量が多い工場や商業施設では、負担額も大きくなります。

高圧電力でよく聞く「デマンド(最大需要電力)」の仕組み

高圧電力で特に重要なのが、「デマンド(最大需要電力)」です。デマンドとは、30分間の平均使用電力の最大値を指します。

空調や冷凍設備、生産機械などを同時に立ち上げたことで使用電力が急増すると、その30分平均が最大デマンドとして記録されます。その結果、契約電力が上がり、翌月以降の基本料金も高くなる可能性があります。

一度電力が増えると基本料金が上がって固定費に大きな差が出るため、電力使用量をリアルタイムで監視し、ピーク超過を防ぐためのデマンド監視システムを導入してピーク電力を抑える運用を行っています。

高圧電力の契約電力はどう決まる?契約種別をわかりやすく解説

※契約条件は電力会社や地域によって異なる場合があります。

高圧電力では、契約内容によって電気料金の決まり方が大きく変わります。なかでも重要なのが、「契約電力がどのように決定されるか」という点です。

同じように電気を使っていても、契約種別によって基本料金の考え方は異なります。それぞれの違いを理解しておかないと、なぜ電気代が高くなっているのかも分かりづらくなります。

ここでは、高圧電力の代表的な契約種別と、契約電力がどのように決まるのかを整理していきます。

実量制とは?契約電力が「使用実績」で決まる契約方式

実量制とは、過去1年間の使用実績をもとに契約電力が決まる方式です。契約電力50kW以上〜500kW未満の「高圧小口」で主に採用されています。

高圧契約では、申込時に自由に契約電力を決めるのではなく、一定期間の使用実績を基準に契約内容が算定されるケースが一般的です。なかでも実量制では、過去1年間で最も大きかった最大デマンド値が契約電力の基準として扱われます。

実際には普段そこまで電気を使っていなくても、一時的な使用増加によって契約電力が上がり、基本料金が高止まりすることがあります。

設備の使い方や運用方法によって契約電力が変動するため、高圧契約ではデマンド管理を含めた運用最適化が重要になります。

協議制とは?使用実態に合わせて契約電力を決める方式

協議制とは、電力会社と契約者が協議したうえで契約電力を決定する方式です。主に、契約電力500kW以上の「高圧大口」や特別高圧契約で採用されています。

実量制のように、過去の最大デマンド値だけで自動的に契約電力が決まるわけではなく、施設の設備容量や操業状況、稼働時間、将来的な増設計画なども踏まえながら、電力会社と個別に契約条件を調整していきます。

そのため協議制は契約内容が複雑になりやすく、料金体系も企業ごとに異なる傾向があります。契約電力が過大になっていないか、現在の使用状況にプランが合っているかを定期的に確認することが、電気料金の適正化につながります。

特に近年は、設備更新や稼働時間の変化によって、以前の契約条件が実態とズレているケースも増えています。高圧大口・特別高圧では、契約内容を見直すだけで固定費削減につながることもあるため、定期的なチェックが重要です。

特別高圧とは?大規模施設で使われる“超大型向け”電力契約

特別高圧とは、7,000Vを超える高い電圧で受電する契約区分のことです。実際には20,000V以上で受電するケースが多く、一般的な高圧契約よりもさらに大規模な施設で利用されています。

代表的なのは、大規模工場やデータセンター、大型商業施設、大学キャンパス、大型病院などです。大量の電力を安定して供給する必要があるため、一般的な高圧契約よりも大規模な受変電設備や保安体制が求められます。

特別高圧は、一般的に電力量単価が比較的低く設定される傾向がある一方で、受変電設備への投資や保安管理、停電対策、非常用電源の整備など、運用面の負担は大きくなります。

そのため、特別高圧を利用する企業では、単純に「電気料金が安いか」だけではなく、デマンド管理や設備運用を含めたエネルギーマネジメント全体の最適化が重視されています。

契約電力が一度上がると下がりにくい理由

高圧電力では、一度契約電力が上がると、なかなか下がらないと言われることがあります。その理由は、多くの高圧小口契約で採用されている「実量制」の仕組みにあります。

実量制では、たった一度でも大きな電力ピークが発生すると、その数値が基準として扱われ、その後の基本料金へ影響します。その後、使用電力量が減ったとしても、すぐに契約電力が下がるわけではありません

再び低いデマンド値の状態を一定期間維持する必要があるため、結果的に「以前より電気を使っていないのに、基本料金だけ高いまま」という状態になることがあります。

稼働ラインの縮小や営業時間短縮、テナント退去、設備更新などによって、実際の使用状況が以前と変わっている企業も少なくありません。

それにもかかわらず、契約内容が過去のピーク時のままになっているケースも多く見られ、現在の使用状況に対して契約電力が適正かどうかを定期的に確認することが重要です。

高圧電力の契約電力は削減できる?具体的な見直し方法を解説

高圧電力は、契約内容や設備の使い方を見直すだけでも、電気料金が大きく変わるケースがあります。ここでは、高圧電力の代表的な削減方法を整理していきます。

高圧電力の契約電力を見直す

高圧電力のコスト削減で、まず確認したいのが「契約電力が今の使用状況に合っているか」です。

高圧小口(500kW未満)の多くでは「実量制」が採用されており、たった一度の電力ピークが、その後の基本料金へ長期間影響する可能性があります。

以前はフル稼働していた工場でも、生産ラインの縮小や営業時間の変更、設備更新によって消費電力が下がっていることがあります。それにもかかわらず、過去のピーク値を引きずったまま、高い基本料金を払い続けている企業もあります。

高圧電力を見直す際は、まず電気料金明細に記載されている「契約電力(kW)」と、現在の稼働状況にズレがないかを確認することが重要です。契約内容を適正化できれば、毎月の固定費を抑えられる可能性があります。

デマンド監視によるピークカット

高圧電力では、契約電力を必要以上に上げないための運用管理が重要になります。そこで多くの企業が導入しているのが、「デマンド監視システム」です。

デマンド監視システムは、施設内の電力使用状況をリアルタイムで可視化し、設定した上限値に近づくと警告を出す仕組みです。電気の使いすぎを“後から気づく”のではなく、“超える前に対処する”ための管理ツールと考えるとイメージしやすいでしょう。

たとえば、空調や生産設備の起動タイミングをずらしたり、一部設備の運転を一時的に制御したりすることで、電力の集中を防ぐことができます。

また、最近では「以前よりテナント数が減っている」「工場の稼働ラインを縮小した」「営業時間が短くなった」といった理由で、実際の使用状況が変わっているにもかかわらず、契約電力だけが高いまま残っているケースも増えています。

こうした場合でも、デマンド監視によって現在の使用状況を把握できれば、契約電力の適正化につなげやすくなります。日々の小さな運用改善でも、契約電力の上昇を防げれば、結果的に毎月の基本料金を抑えることにつながります。

電力会社・料金プランの見直し

高圧電力は、どの電力会社と契約するかによって、毎月のコストに大きな差が出ることがあります。

2016年の電力自由化以降、法人向けの高圧市場にも多くの新電力が参入しました。現在は、地域電力会社だけでなく、さまざまな料金プランを比較できる状況になっています。

ただ、ここで注意したいのが「安い単価=お得」とは限らない点です。

高圧契約は、施設ごとの使い方によって相性の良いプランが変わります。昼間の稼働が多い施設もあれば、夜間中心で動く工場や物流施設もあります。さらに、夏と冬で使用量が大きく変動するケースも珍しくありません。

そのため、現在の使用パターンやデマンド推移を踏まえずに契約すると、想定より電気代が高くなることもあります。

最近は、市場価格に連動するプランや、時間帯ごとに単価が変わる料金体系も増えています。一見すると安く見えるプランでも、燃料費調整額の仕組みや契約条件によって、最終的な請求額が大きく変わるケースがあります。

高圧契約は使用電力量が大きいぶん、細かな条件の違いが年間コストへ大きく影響します。価格高騰が起きる前から、定期的に比較・見直しを行うのが理想です。

高圧電力の契約内容、今のままで本当に適正ですか?

高圧電力は、使用量を減らしただけでは電気代が下がらないケースも少なくありません。

「以前より稼働が減っている」「テナント数が減った」「設備を更新した」といった変化があった場合でも、契約電力が過去のピーク時のままになっていることがあります。

また、電力会社や料金プランによって、基本料金の考え方や燃料費調整額、市場連動リスク、契約条件なども大きく異なります。

そのため、“今の契約が本当に合っているか”を一度整理するだけでも、電気料金を見直せる可能性があります。

まずは現在の契約状況を確認してみませんか?

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など、現在の使用状況に合わせて確認可能です。「どこを見直せばいいか分からない」という場合でも、まずはお気軽にご相談ください

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